デジタル時計を作る。

 2008年の秋からデジタル時計を作ってみようと言うことで、自分で作って見ることにしました。
デジタル時計は自分が中学生くらいの時にキットでナショナルセミコンダクターのMM5314N と言う時計専用のICを使ったものでした。
しかし当時はLEDが出たばかり、7セグメントLEDはまだ1個1000円近くした頃のでLEDも当時は東芝1社しか手に入りませんでした。

 MM5314NはMM5311Nと同時に発売され当時ではもっともポピュラーに物でキットだけで1万5千円ほどした。当時の1万5千円と言えば結構な大金。でも何でも高価だったなぁ。中学の頃だろうか、工業大学の電子科で発光ダイオードを初めて見たのは・・。その頃は赤しか無くて次に出来たのは緑。赤は1個200円ちょい。5314と5311の違いは 5311の方には BCD 出力がついている。と言うことだけで、あとは違いはありません。

(以降の写真はクリックすると大きくなります。別ページまたは別タブで開きます。)

ブレットボードで実験 消費電流測定ほぼOK
ブレットボードで実験
消費電流測定ほぼOK

 話しが飛んでしまいました。写真は、テストボード、(通称ブレッドボードという)で一応、LEDの光具合を見てLEDの電流制限抵抗を決めています。このLEDは20mAも流せば点灯するようです。電圧が2.1Vですから、オームの法則から抵抗値が計算できるかと。電源電圧は4.8Vです。(ここはちょっとオリジナルと違う所です。)

 今回製作に使ったのは沖電気の MSM5509 と言うカスタムLSIで、回りにちょっと部品を付けるだけで時計になる優れもの。DIP型で単にブレッドボードに組んだ(上の写真ですね)だけでも動作する何というか簡単過ぎる時計なんです。しかしこのICすでに絶版になっており、webで探すこと数日。京都の部品屋さんにありました。「長期在庫で動作は保証出来ませんが2個と同じ型番なんだけど若干感じが違いますがもう一つありますがどうされますか?」ということで、二つ返事で3個購入いたしました。1個千円でしたが、いいかなと。回路についてはWebを検索するといくつか出てくるのですが、私は O-Family さんのページを参考にして製作させていただきました。これね。ここのWebは色々バリエーションが有って面白いです。上の写真の図面にも記載されていますけどね。

 それ以外にも MM5316N と言う MM5311/5314Nの後継機種のICを購入いたしました。こちらは高圧ドライブタイプなんですが、何か作る時に使うつもりで今はストック状態です。

 そしてこのMSM5509の扱いが非常に難しのです。出力をオープンにしてしまうと誤動作してしまう。きっとインピーダンス高過ぎなんだろうな。フレ止めでTD62084と言うトランジスタアレイICで強制的に整合を取る。ここで問題が出た。実はこのLSI の出力はコモンカソードタイプ。だから、LEDはカソードコモンの7セグメントでなければ使えない。実はそんなことまったく頭に入って無くて唖然とした訳で。回路よく見たらそーなってんじゃん・・・。

 ここにある7セグメントLEDは全てアノードコモンタイプ。極性が逆なのだ。2SA1015と2SC1815で反転も試みたが何故か消費電流がぶっ飛び。電池なんて使ったら1時間も経たないうちにダウンするほどの消費電流だった。(なんか間違っていたのかもですが)まったく話にならなかったので、ついでに色々試してみた。LEDの大実験

ジャンク基板から外した
ジャンク基板から外した
緑のLEDです。
赤のLEDです。

 それが上の写真。この7セグメントLEDはジャンクで基板からはずした物。ネットで調べても仕様が全くなくデータシートすら出てこない。仕方ないので後ろにボールペンの赤字でピンアサインを調査。するとこの7セグメントLEDは結構優れもだって言うのが解った。回路はダイナミック点灯出来る代物で配線の数が極端に減らせるのだ。おまけにコモンのピンを変えると、赤と緑と2色発光する事が解った。

 あれですよ、午前は緑で、午後は赤。なんて事も考えたらできますね。実際に電圧を掛けて点灯させてみます。見事に図面通り動作いたしました。大きさは単三電池がみえるのでだいたい予想は付くとおもいます。

 本当はこの大きなLEDを使いたかったのですが、アノードコモンで全滅いや消滅でしようか・・・。

7セグメント大型LED
試作ボード

 基板はICB-93この基盤にはLEDが2個しか収まらない。大きさ解りますよね。なので3枚の基板を使っている。そして実際に使おうとしていたのが上の写真(右)。電池が接続されている試作ボード、この状態で既に動作しています。ケーブルはIDEのケーブルとコネクターを流用。結局でもこLEDはアノードコモンなので点灯せず。これは別の考えで点灯させる事にします。仕方なくカソードコモンのLEDを秋月さんに注文。ちょっと 遠回りしてしまいましたが、ブレットボードの準完成品をパターン化して作ればたぶん問題なく動作すると思われます。(一番上の写真がその注文して購入したカソードコモン7セグメントLED)

↓今回実験に使った LED たち
今回実験に使った LED たち

 そしてデジタル時計がほぼ完成しました。延べ1日掛かりで製作。疲れました。最初はパターンを仮に起こす作業から。部品配置やスイッチの配置、基板の設定などいつもはそんなことしないんですが、今回は計画的にやってみました。

パターン図 乗せた図 ほぼ完成
パターン図
乗せた図
ほぼ完成

 こんなに簡単な部品で動くなんて、すごい便利です。最も最初でつまずいてしまったので余計時間がかかってしまいましたが、最後はもう時間を刻んでいる状態です。とりあえず第一弾は終了です。

完成してから数日が経ちました。確認しているうちに非常に遅れる事が解りました。きっとトリマーの容量が悪いのだと思うのですが回してもあまり効果がありません。どんどん遅れるばかりです。

こんな感じで遅れて行く
こんな感じで遅れて行く

 写真は、パソコンの時計と合わせています。(パソコン自体はローカルネットワーク内にGPSを使ったタイムサーバーがあるのでそこから時間の供給を受けていますのである程度は正確です。)2時間程度でこの遅れとなります。少しトリマーの定数を変更したほうが良いのかな。

 そしてICを3個買った内、1号機で1個目消費。残る2個の内、2個目で2号機が完成。実働試験を行っています。遅れる原因は充電式電池の電圧が足らないのではないのかと感じています。(1.2V×4=4.8V)というのは電源の頭で過入力が無いように5Vの定電圧ICをいれていますが、5V以上の入力に対しては5Vに定電圧で出力されますが5V以下なになるとそのICのメーカーによっては不安定になるのもあるので、それなのかなと思ってましたが、4.8V ICを通さないで給電しても同じでした。 ならバッテリーDC12VからDC5Vに落としてやってみましたけど・・・でも同じ・・・。今のところお手上げ状態。遅れまくっています。

 1号機を作って程なく2号機を製作。1号機、2号機を比較してみます。1号機で色々出てきたパターンミスも2号機ではおおかた取り除きました。見て解るとおり、表面の配線が少なくなっています。

no1(右)とno2(左)の表面 その裏面の写真
no1(右)とno2(左)の表面
その裏面の写真

 そしてあまり裏なんか恥ずかしくて見せられなかったのですが、今回は大きく公開(笑)

No1の裏面パターン NO2の裏面パターン
No1の裏面パターン
NO2の裏面パターン

 NO2に使ってるICも買った静岡の部品店で、「同じ物だと思いますが詳細がわかりません。長期在庫だったので動作の保証はありませんのでご了承下さい。」と言われていました。NO1のICの印刷とNo2のICの印刷がすごい異なっているんですね。なのでまったく違う異物なのかな・・とかでも品番同じだから多分。と言う推察。で恐る恐るいれて電源を入れると「あ、動いた」みたいな感じ。品番こそ違うけど問題ないみたいです。

変更履歴
2013/08/13 写真再掲載、記述変更。
2018/12/07 写真リンク切れ修正。