TS-790の修理
TS-790の修理依頼です。こちらも中古で購入し、しばらく使用していた様ですが、430MHz/1200MHz ともに表示に ------- が表示されPLL が Unlock となるようです。内容は書いて居ますが
- 430/1200の下の方でunlock
- (後から)430の変調にボソボソ音が乗る
- その他点検
当初はPLLだけかと思っており、送信チェックは出力だけしか確認して降りませんでした。全てのメーカーのマイクを持っているわけでは無いので、全点検の場合はマイクまで付けて頂きたいと思います。まぁ、全て見なかった私が悪いんですけどね(苦笑)。最終的には430のPLLを触ったことでPLL調整用のTCがガリって変な音を変調に乗せてしまっていたという落ちです。離調の調整はコアを割ってしまったり、トリマーを壊してしまうと言う結構リスクもあるので、ご理解いただけたらと思います。お写真ですが最初の状況を撮影しておりませんでしたので、途中からとなります。
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1200MHzのユニット |
ここのTCを回します |
1200MHzのファイナル |
1200MHz の調整は結構面倒で、Low/High で調整を掛けます。当初、RF出力が規定より出なくて困りました。この場合は思いっきり回すと言う行為も有りだったりします。経年劣化で実は別な場所にポイントがズレてしまった。というのも有りますので。案の定ちょっ回すとレベルが出てきて、OKとなりました。このPLLの上には1200MHzのファイナルユニットが乗っています。チェックしましたが特に問題はありませんでした。
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430MHzのPLLユニット。(下は144) |
430だけ外します。ここで?に |
交換されいる。しかもヘタクソ |
次に430MHzの調整をします。こちらは1200MHzと反対側の扉をopenします。余談なんですが、このTS-790やたらとネジが多いです。長さ、サイズ、mmネジ、鉄板ネジと多種にわたるので、解体するときは何処にどのネジが入っていたかを覚えておかないとなりません。これ大変なんですよ・・。これも順番に調整していくのですが、黒いゴムの様な物が張り付いているのが重要な部分で1200MHzでも触ったところと同じです。ここで規定値の4V±0.1Vにしていくのですが、ガリって上手く調整出来ません。結局出来たと思って、持ち帰って頂いたら430だけボソボソと音がするってことで戻ってきました。この場合は大抵このPLL電圧調整したトリマーが悪さしています。それで蓋を開けて見てみると、一つが交換されていることに気づきます。しかも回りの部品を焼いている。しまいにトリマーが取れなかったらしく、足を残したまま上から半田してあるという。取るのに苦労しました。
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取り出しました、溶けてます |
左下以前の足が残ったまま |
やっとの思いで交換しました。 |
酷いですよね。メーカーがやったとは思えないのでたぶん、ど素人がやったんだと思います。足が取れなくて半田上げられなくて上からやったら隣のコイルケース溶かしてしまったって感じですよね。コテを入れる方向がそもそも間違っているのですが。。。もとに戻すまえに仮に動作チェックをします。基板を元に戻し仮に半田上げして仮調整してみます。サービスマニュアルでは TC は 3PF となっていたのですが付いていたトリマーが両方たぶん容量が違う物だったから、断定出来なかったんです。なので仮に調整して電圧出るか確認したかったのです。仮組してチェックして問題無かったので、シールドケースをきちんと半田上げして元に戻し再度調整します。
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勿論こちらも交換 |
DC4V±0.1Vに合わせます |
DC4V±0.1Vに合わせます |
もう一度、テスターを当てると既に変わっています。それほどここの部分はシビアです。そしてこの4Vのあたりが一番シビアだったりします。(なんでよって感じですけど)調整用のドライバーを外すとすぐ離調します。もう、外して電圧が変わる位置を予測で回して調整します。4Vになってもズレて行くので、合わせて様子を見てを繰り返します。写真は様子を見て変化しないことを確認している写真です。実はこれでTCが載っている基板の蓋を閉めるとまた変化します。コレの繰り返しで30分以上掛かります。蓋を閉めて安定したら、unlock していないか確認します。1200MHzの写真は撮影時に触ってしまって、1299.9999になっていますが、1260.000でunlock しないことを確認しています。
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430MHz下の方unlockせず |
1200MHz もunlock せず |
今回使用のトリマー |
大丈夫の様でした。今回使用したトリマーは、村田製作所のトリマーです。日本製(たぶん)なのでこれにしました。中国製の安いトリマーは沢山あります。今回はこちらにしました。場所も場所なので。一応日本製と言う安心感もあります。今回の修理は出戻りも含めて4日コースでした。しかもサービスマニュアルには、1200MHz だけ調整箇所は書いているものの、それが何処なのか記載がなかったりして、ちょっと時間がかかりました。144/430MHz に関してはこのコイルだとか、このトリマーと書いてあるのに1200MHzだけ無くて、自作しました。また調整する際のモードを間違ったり、余計なところを触ってしまって最初から・・。なんかもありましたので(苦笑)
2022/10/09 |
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新規作成 |
2022/10/10 |
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少し変えました |
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