WSJT-Xでの周波数補正について。

WSJT-Xには周波数補正プログラムが付いています。これについて記載いたしますが、ここで注意点が一つ。モノバンドトランシーバーや、標準電波しかを受信出来ない場合等は校正が出来ません。ゼネカバ出来る無線機が必須です。
また GUI (ソフトウェアー)については英文で記載さていますので、日本語化している方は置き換えて下さい。
この方法は、今後変更される事があるかも知れません。また無線機をWSJT-Xで直接コントロールが出来ないと駄目です。(CATやCI-Vが使える物で、最低でも周波数が変更出来る)
校正については2波以上の別の周波数で受信出来ないと正確性の期待は持てませんので2つ以上登録して下さい。
それでは 始めて行きます。WSJT-Xをまず起動します。いつも通り起動して下さい。

  1. F2を押しFrequencies(周波数)タブをクリックして下さい。Working Frequencies(運用周波数) の表の上で右クリック致します。



    これが出ます。ここからInsert(挿入) を選択します。
     
  2. 選択したらとりあえず近傍のラジオ局を入れます。 私の場合は超スーパーローカルのSTV 1440KHzをいれました。

    IRU RegionはRegion3。Modeを FreqCalにします。Frequencyは 1440KHz ですので MHz 表示に直すと、1.44MHzですね。入力したらOKをクリックします。
    注意:ここでは1440KHzを入れましたが地域により周波数も違いますのでご自分の地域の中で選択して下さい。信号が弱くQSBが多かったり、安定しないものは駄目なようです。(当たり前ですが)

  3. 追加された事を確認します。ブルーで反転されていますね。周波数の後ろに (OOB) がつきます。



  4. OKを押して閉じて下さい。右上の×を使うと保存されません。ここからキャリブレートに入ります。WSJT-Xのメニューよりmodeを選択します。一番下のFreqCalを選択。チェックマークが入った事を確認します。



  5. 今入れた、1.440.000MHzを選択しますがそれ以外にも (OOB) が沢山あります。日本や北海道では使えない事が多いので不要なモノは削除すると良いでしょう。ただ標準電波の周波数は使いますので残しておいて下さい。ここでは変えずにそのままの記載しています。



  6. 1.440.000MHz を選択すると、 下のように何かが始まります。



    これが始まったことを確認しましたら、Measure(測定) にチェックを入れ、1分以上その状態で放置します。なお、他の設定は写真のようにして頂ければ結構です。



  7. 計測が終わったら(勝手には終わりませんのでご自分で頃合いを見て Measure(測定) のチェックを外して下さい。)
    別な周波数でキャリブレートします。5.000MHzがいいですね。周波数を変更するときに一旦 Measure(測定) のチェックを外してから周波数を変更します(2.5MHz,5MHz,10MHz,15MHz,20MHzの標準電波WWV/WWVH/BPNを受信し、そのキャリアをみていますので受信出来る標準周波数または放送局(地元)を利用して下さい。)


     
    そうすると今度は5.000.000MHz(ご自分が選択した周波数)でキャリブレートが始まります。そうしたらまた Measure(測定) のチェックを入れます。



    これも1分以上行います。そして計測が終わったらまた Measure(測定) のチェックをはずします。画面は走っていますがそのまま放置で。

  8. WSJT-Xのメニューから tool を選択し、Solve for calibration parameters(校正パラメーター計算) を選択します。



    ここできちんと測定が出来て居るとエラーはしないのですが条件が悪いと、エラーしますのでエラーが出た場合は何度かトライして見て下さい。問題ない場合は下記のようなダイアログが出ます。



    ここでは Apply をクリック。次にデータを保存するか聞いてきます。ので Yes を選択。



    これでキャリブレートは完了です。F2キーで、Frequencies を見ると、先ほどキャリブレートした情報が入っていると思います。確認してみます。



    入っている事を確認しました。

通常運用状態に戻します。そしてWSJT-Xのメニューから、Mode -> FT8(Mode をクリックして FT8) に移行。受信したままになっていますので、例えば周波数を 18.100.00 に変更すると、無線機の周波数が勝手に補正された周波数になっているはずです。WSJT-Xの表示を18.100.000MHz とすると私の場合、WSJT-Xは18.000.000でも、無線機の方は、18.100.050 と補正された周波数になっています。また、WSJT-Xの保存フォルダー(File -> Open log directory)を見ると、fcal2.out と fmt.bak と言うファイルが出来て居ます。どちらもノートパット(メモ帳)で開けます。 fcal2.out は補正情報。 fmt.bak は計測した値が記録されています。参照はしていないので消しても消さなくても問題はありません。

以上がWSJT-Xでの周波数キャリブレートの仕方になります。参考になりましたでしょうか。

 

2018/12/11 新規作成
2018/12/12 標準電波部分修正
2022/07/09 標準電波部分と一部修正