郡遅延特性について。

※MSK144で出てきた、「群遅延特性」について簡単にまとめました。

高度かつ高速データ通信になると、この郡遅延特性とゆう言葉が現れるます。

 無線通信、CATV施設など伝送する信号または伝送される信号がアンテナや、機器の接続点で幾らか反射が起こります。これは伝送路の特性インピーダンスと機器の特性インピーダンスが全く同じではないために起きるものです。極端な例を考えると(実際には有り得ませんが)、幾らかの特性インピーダンスの不整合でも反射が発生し、不整合の状態がひどくなれば反射する電波の量が増加します。

 入射電波と、反射電波は伝送路中で合成され、同軸ケーブル上に定在波(Standing wave.)が発生します。みなさんお馴染みのSWRですね。(位相が同相の点では電圧が加算され、逆相の点では電圧が下がり、ある周期を持った波ができます。)この波の振幅をリップル振幅、周波数をリップル周波数と呼びます。この時同軸ケーブル上の最大電圧と最小電圧の比を電圧定在波比(VSWR)と呼び、相互の関係は次のようになります。

      最大電圧(emax)
VSWR=-----------  (1以上の数字になる。)
      最小電圧(emin)

次に反射計数(γ)は不整合点で入射波に対してある量の反射波が生じたとき、入射波に対する反射波の大きさを現す計数として求められ式で表すと

       反射波電圧=γ×入射波電圧

で求められ、1以下の数字となる。反射計数(γ)はVSWRからも次のように求められます。

   VSWR-1
γ=-------
   VSWR+1

  またVSWRも(γ)から

      1+γ
VSWR=------
      1-γ

  で求められます。

ここで郡遅延特性について述べてみましょう。郡遅延特性は位相特性を角周波数で微分した値で、その単位は時間です。

郡遅延特性は

  1.反射波のレベル(γ)と反射波の遅延特性(t)との積に比例した大きさとなる。
  2.入射波の周波数が変化すると正弦波状に変化し、r*t ~ 0 ~ - r*t の範囲のリップル状になる。

ある信号が、ある反射波によってリップルが生じたとき、郡遅延特性(GD)は


       2000         10L/20-1
GD(ns)=------- × (--------)
       Δf(MHz)        10L/20+1

  となります。

郡遅延特性が悪いと信号波形が歪んでしまい、特にデジタル信号の伝送ではエラーの発生とゆう致命的なことに繋がります。
伝送路での反射波の発生原因としては、ケーブルのつぶれ、傷、コネクターの処理の不良、またはコネクターのゆるみ、接続機器の特性インピーダンスの不良などが考えられます。