WSJT-Xの運用の考察

久しぶりにblogへ投稿致します。ご存じの通り、台風、地震とありましてなかなか書く気にはなれなかったのが理由かな。ということで今トレンディでHOTにモードFT8についていろいろ考えてみました。
FT8モードはアマチュア無線の中でほぼ知らない人は居ないと思います。CQ誌などの歌い文句は「ローパワーでも飛ぶ」なんていう触れ込みですけど。

さて、私もこのモードに参戦し初めて約半年。実質4月の後半から運用開始いたしました。主にアンテナのある、10mと6m。予備的に 40m と 17m にも出没しています。どこのバンドに限ってと言うことはないのですが、気がついたことを少し書いておきます。(ここは愚痴ですw、本題はもーちょっと後ろで)

  1. ローパワーでも飛ぶ。なんてことはなく、みなさん(DXなんかね)飛んでくるのですがこちらから応答しても、聞こえていないしかなくパワーをフルにしてやっと悲しいレポートが帰ってきます。レポートの差を単純計算するとだいたいいくつ出しているかはわかりますよね。これぐらいならまだ可愛いもんでDP/GP に KW だとまぁ無理なわけで。
  2. 飛ばない人に限ってど真ん中で延々とCQを出し続ける。呼ばれないんだからいい加減やめたら?って思います。
  3. 必要以上に負けたくないから、Powerを出す。いや良いんです。免許の範囲内であれば。逆に言うとあなたの電波一杯子供出来てませんか?特に同じ市内の方であれば、そのkwのおかげでブロックされてしまいQSO出来なかったとかよく聞きます。まぁ、どうしても電離層の関係でローカルより強力な局が出現して同じ状況にはなるので、悪いとは言いません。
  4. 設備上、個人ですので、ひとそれぞれで仕方ないとは思いますが、DXが出てる周波数でCQを延々と出される方。聞こえないのは承知していますが、ど真ん中で出すのはやめた方が良いと思います。何が出ているかわかりませんので。
  5. QSO始まってるのに呼び倒ししてる局。どこのモードに行っても居るんですね。ちょっと待てばいいのに。相手も人です。呼び倒しうざいと、相手をしてくれないかもです。

まぁ、人により設備が違うので、仕方ないのですが、もう少し他の人のことを考えて見てください。って事。たぶん自分がされたらめっちゃ腹立つと思いますよ。腹を立てる前に、もしかしたら自分もやってるかも知れない。と思って頂ければ良いのです。

さて、変な批判はさておいて、FT8で気がついたこと、ちょっとおさらいしましょう。

  1. オンフレ(CQ出している局と同じ周波数)で強いのに呼んでも帰ってこない
  2. OpenしているのにCQ出しても誰も応答してこない。
  3. 忘れた頃に呼ばれる。

この3つに絞られると思うんですよね。でいろいろ試したり聞いたりしていると次のような事が解ってきた。

  1. オンフレ(CQ出している局と同じ周波数)で強いのに呼んでも帰ってこない
    ・これに関しては聞こえないデコードしないけどオンフレで相当数呼ばれている
    ・局によっては Split と送られる事がある。出る場所が無く他人とODD/EVNを共有している。
  2. OpenしているのにCQ出しても誰も応答してこない。
    ・これについても上と同じ。CQを出している周波数が向こうでは使われている。
  3. 忘れた頃に呼ばれる
    ・局によっては、呼ばれた順番にクリックして呼んでくる事があります。

これを思った時に昔のパケット通信の「隠れユーザー」と言うのを思い出した。(こういう言い方だったかは定かではない)別に隠れてはいない、こちらから見えないって言うだけ。ちょっとダサイ絵をupしておきます。
補足説明すると、山の上の中継所(デジピーター)を使うとします。やまの向こうにアクセスしたいRBBSがあります。こちらからは向こうの様子がわかりません。でも静かってぽいからデジピーター経由でアクセスしてみます。コネクトはするけど次のコマンドラインがなかなか来ません。こちらからはデータは通っていきます。

しかし山の反対側では見えない場所でUIフレームチャットや、ビーコンがひっきりなしに流れていて、RBBSのホストのTNCにあるDCDが一定時間消灯しない。なのでTNC はDCDが一定時間消灯するまでダンマリしてしまい、なかなか先に進まないのです。進んでも、デジピーターから返るackがチャットやビーコンで邪魔されて見えなくなってしまい、最後には Retry outになってしまう。反対側では解らないまま、***Disconected が送られてきて???になり、再度挑戦->時間過ぎて***Disconected の繰り返し。これはパケットやっていたときのデジピーターの善し悪しって話しでよくありました。

FT8もまさしくこんな感じなんですね。ただ山じゃ無くて、対DXなので見えない。=同じ事が言えるんじゃないかと思います。要は相手側が見えないから、たとえ電波が強いから返ってくる・・・と言う訳じゃないんですね。

ここでお決まりの対策は次の通り。

  1. オンフレでは出さない。出すときは下か上の周波数に固定する。 最近は、局数が増えてきたので、split では応答率が悪く、返ってオンフレの方が応答率が高いような気がします。WSJT-Xをお使いの方であれば、もし、送信電波周波数を固定するなら Hold Tx Freqにチェックを入れるます。下は300KHz以下には指定できません。上は3KHzまでいけますが、相手の受信機に搭載されているフィルターに左右されるのであまり高すぎると減衰しすぎて届きません。2.9KをMAXに考えておけば良いと思います。
  2. CQを出すときは、せいぜい多くても5回ぐらい。次出すときはちょっと時間をおいて出す。そうすると無線機にも優しい運用となります。中には延々と出し続ける方いらっしゃいますが、呼ばれないのであれば、やめましょう。ただの混信になります。
  3. ローパワーでもこのときは可能な場合があります。送信する場所を2.3K位にして出力を 20~30Wでもきちんと EU から応答あります。ただ先に書いた通り DP/GP にKWが入っている局は呼んでも無理ですw交信している局とのレポートを確認して、呼べる、呼べないが判断つくと思いますよ。
  4. 呼ぶときはRR73か73を送った後。呼び倒しはもってのほか。
  5. 呼んでも帰ってこないときは、送信周波数をクリアーと思われるところに変更してみる。(私は3回ほど呼んで帰ってこなかったら縁が無かった。って事で諦めますw)
  6. 何回か呼んで帰ってこなくてもいきなりリターンもあり得るので黙って聞いとく。で時々呼んでみる。

ちなみに ODD/EVN についてですけど、割とHFはぐちゃぐちゃです。その感覚で6mで電波を出すと、顰蹙を買いますのでご注意ください。第三地域は通常 Evnのチェックを外して CQ を出して下さい。でも呼ぶときにどうしても Evnにチェックはいる事があります。そのときは最後に外すこと忘れずに。

最近運用局が増えたせいもあり、割とバンド中が使えないことがあります。2.2.0GAのマニュアルから、混み合っているときは3KHz下げて運用しろとも書いています。ただこれは場所によってはもしかするとoff band になることもあるので臨機応変に。