WSJT-X 初心者的な話し。

WSJT-Xを使用する際は必ず最新バージョンをお使い下さい。余り古いと方式が違ったりBUG-FIXされたりしていますので必ず最新版をお使い下さい。2023年3月現在 WSJT-Xのバージョンは 2.6.1 となっています。一部挿絵が、旧バージョンのものが混じっていますが、大差はありません。また、最近のバージョンは起動すると自動的に日本語となりますが、この説明では敢えて英語の挿絵とさせて頂いて居ますので日本語に読み替えてお使い下さい。

ここの説明は Ver2.6.1(旧バージョンも混在)で記載しております。

いつも WSJT-X の画面でいったい何がどうなってんの?って話を聞かれましたので、少しだけ書いておきます。あのカラフルな画面のちょっとした説明を記載しておきます。説明をカットしている部分もありますがそこは検索すると日本語のPDFがあるのでそちらを参照してください。また、間違った解釈をしているかも知れないので是非マニュアルはご一読願います。古いのですが、日本語マニュアルを用意しています。https://www.hdlc.org/wsjt/help/ 2.6.0-rc1 で記載されています。基本は同じです。

とっつきにくい画面ですが慣れたらたいしたことはありません。起動するとmain と Waterfaullが起動します。コールサインをマスクしようかと思いましたが、意味が分からなくなるのでそのまま掲載します。よって画像の無断使用は禁止と致しますのでご協力お願い致します。

また送信の方法については左のメニューから「WSJT-X初心者テキスト2」をご覧下さい。

画面としてはWaterfull と本体画面の2画面表示となりますが今回、Waterfull は割愛します。メインの画面だけの説明です。メイン画面に番号が振ってありますのでその番号について説明します。その前に Band Activity と Rx Frequency の色分けについて説明致します。

この色分けはご自分で設定変更する事が可能です。ただデフォルトの色から変えない方がいいかも知れません。

白色 : 他の局との交信 ③
朱色 : 自分が呼ばれている ④
薄青色 : 交信している国だがGLが未交信 ⑤
濃桃色 : New カントリー (指定番号無し。下記の写真に表記しています。)
緑色 : QSO済みの局 記載なし(Band Activityの場合。RX Frequency の場合はこの局を指定している為緑になる ⑥,⑩
黄色 : 自分の送信テキスト ⑨
(これ以外表示の無い部分に関してしは、改めて下の方に写真で説明します。)

①Band Activity
ここは、今受信しているエリアになります。誰かがCQを出していたり、既に交信を始めていたりしているところを表示しています。表示時間は全てUTC(GMT)です。この画面でいくとUTCのライン、表示でいくと 121015~121115 までが受信していた時間です。スクロールできるので受信している限りは続いていきます。続いて dB DT Freq Messageと続きます。

dB について。

信号強度ではありません。 S/N になります。 (Signal/Noise の差なので、間違えないように。)意味が分からない場合はググって下さい。レポートは全てこの数字で行います。

DT について。
これは自分の PC と相手の送信時間のタイムラグです。WSJT-X は正確な時間管理が必須となります。送受信の時間が13秒となっていますので時間のずれは致命的になります。できれば自宅にNTPサーバーを置いて頻繁にアクセスして補正する事をおすすめ致します。直接外部のNTPに頻繁にアクセスするような設定はおやめください。NTPを利用しているのはあなただけではありません。(自宅内で構成するなら秋月電子からNTPサーバーキットが出ていますのでそれを使うと簡単です。)
 ※2.5秒以上ずれるとデコードしてくれませんので時間管理はしっかりと。

Freqにつて。
これは周波数を表示している 50.313+になります。③の例を取ると Freq 1887になっています。この意味は 18.1001+1.887KHz となります。なので 18.101987MHzということになります。(ただしこの無線機での周波数ですので正確な周波数とは限りませんし、他の無線機とも表示が違います。)

Messageについて。
ここではいろいろなメッセージを汲み取ることができます。③と④⑤について記載します。

③について~これはJA2ORW が UA9OOT に対して -02dB を送っている所です。
④について~LY3PW が JH8XVH を呼んでいる部分。
⑤について~CQを出しています。 CQ DX Call+GL または CQ call+GL という形になります。 ~EU Russia は設定をするとプリフィックスから国名を表示してくれるようになりますので、設定しておくと良いでしょう。右と左のコールの違いは、左が呼ばれている局(相手)右が(呼んでいる)局なので右側に呼びたい局のCALLが来ないと交信が成り立ちません。

②Rx Frequency
Wide Graph が表示されている場合、上部周波数の部分に緑色マーカーがあります。この部分を受信している所となります。全体は Band Activity で表示されますが、Rx Frequency は個別で表示されます。

⑫ Band
ここは無線機がCAT(CI-Ⅴ)でコントロールできれば、ここを変更する毎に無線機も追従します。中にはコントロール出来ない無線機もあります。その場合は周波数の表示だけという寂しい所にはなります。 WSJT-X の Logging を使用する場合はここを見ますので、コントロールしてもしなくても、変更しないとLOG に全く違う周波数で記録されるので注意が必要です。特に JT_Linker を使って HamLog に転送している場合は泣きをみます。28MHz でやっているのにここを 50.313 にしておくと記録はすべて 50MHz になります。また PSKREPOTER.INFO にデータを送っている場合は間違ったデータを送信することになります。そこはご注意下さい。(PSK Repoterへの送信方法は wsjt-x のマニュアルをご参照下さい。)

⑪Monitor
トグル動作になっており、緑になっているときは受信中。白い場合は受信はしません。Band Activity を確認するときなんかはOFFにしてから閲覧しないと、受信する度に最後に移動してしまいます。尚隣の Erase は、ワンクリックで Rx Frequency のエリアをクリアします。ダブルクリックすると Band Activity をクリアします。

⑬受信レベル
WSJT-X ではここを AGC を OFF(出来ればの場合。出来ないときは ALC-Fastにします)にして、何も受信されていない状態でだいたい 30dB 程になるように調整します。レベルオーバーは赤くなります。レベルオーバーは歪みが発生して、うまくデコードできない事があります。また受信信号が強すぎても駄目なようです。

⑩DX call/DX Grid
ここは、CQを出している局⑥で言うと CQ VK6AS OF77 をダブルクリックするとここに VK6AS が入り、DX Grid に OF77 が自動的に入ります。(Grid が無い場合、例えば⑦の下 R8CAM RA6FC R-21 をダブルクリックすると RA6FC が入り DX Grid は空欄になります。このように呼びたい局が右側上の例だと RA6FC が見えないと呼ぶことが出来ませんので注意して下さい。

⑯Message エリア
⑩にコールが入ると自動的にジェネレートします。 ⑲Auto Seq にチェックがあると、交信が成立して通信が始まると、TX1~TX4またはTX5まで自動で移動します。RR73,73 を送ってしまうと送信が終わる(設定あり)ので、相手から再送要求、こちらからの RR73または73取れなかった場合は相手方からR-06 が送られ続けることが多々あります。再送要求が無いかだけは確認しまいましょう。正常に終了して居ない場合は交信成立しない場合が多いです。

⑰Pwr
送信出力調整のスライダックです。(単に音が大きくなるだけなのですが)無線機に負担が掛からない出力に調整して下さい。ALCを振らさない程度で。その際にその上にある Tune をクリックすると、送信状態でキャリアが立ちますのでそこで確認願います。出す周波数により若干出力が異なる時、高い周波数低い周波数(バンドエッジ)では出力は安定しません。

⑱タイマー
FT8 であれば 15秒を一区切りとして送信を 13秒間行い、2秒置いて次の15秒は受信となります。これを送信受信を繰り返すので、このグラフを使い状況を把握します。右横の 11/15 は 15のうち 11 秒ですよ。という事になります。デコード作業は 11秒で1回目13秒で2回目15秒で3回目のデコードをします。

ここの説明で写真に出なかった部分について。


だんだんとすごい画面になります。が
①について
FT8やJT65でもそうですが交信していない国はこの色で表示されます。QSOしている場合は③の色となるわけですが、Band Activityが緑の場合は既に交信済みとなります。これは前にも書いてありますね ③ になるわけです。

②と④について
こちらは自分が何をしているかと言うところなんですが、黄色のラインはこちらから送信しているラインで GL を送ったりレポートを送ったりしている状態です。

以上が簡単な画面構成です。


その他設定について

Generate Std Msgs の項目について
先に記載しましたが、ここは呼びたい局をダブルクリックすると、上の挿絵の通り全ての項目が埋まります。また、DX Callと横の Report を手入力した場合、(ごく希にあります)この上のGenerate Std Msgsをクリックすると全て埋めてくれます。DX Grid を省略すると GL は空欄のままとなります。
Report を省略すると、今入ってる値がそのまま出て行ってしまいますので、コレを使う場合は、レポートが不確定(分かっていれば入力出来ます)要素が多いので送信シーケンスは Tx1 から行う方が良いでしょう。もし相手のレポートが分かっている、もしくは呼びたい局をダブクリした場合は全ての要素が自動的に入ります。
挿絵では TX1が若干グレー掛かっています。これは TX1を送信しない設定としている為となります。理由はこの下の方に出てくる「コンディションに合った通信の仕方」の部分で解説しますのでここでは割愛します。

周波数、モード設定

(Tx even/1st,Auto seq,Lookup,Add については別ページで説明をしていますのでここでは記載しません)
最新版では、FT8/FT4等、ここで簡単に切り替える事が出来るようになりました。勿論従来通りMode(モード)から選択は可能ですが主要な物はここにでていますのでこれを使うと切り替えもスムーズに行えますし、モードを選択することにより、設定されていればそのモードに対した周波数を選択してくれます。一番上の H ですが Hound Mode で DXペディションなどでよく使います。 使い方は別なページで紹介します。
緑の○ですが、周波数を外れると赤くなります。また緑の○の中にSと言う文字が入っている場合、無線機側で Split が ON になっていないか確認して下さい。コールサインとグリッドロケーターを入れることでその下におおよその方向と距離が表示されますのでビームを向ける目安として下さい。

Tx/Rx周波数について

最初の方で記載したものになります。Wide Grph の上部にある周波数部分に赤と緑のスケールがあります。それが自局の送受信の位置となります。送信が赤。受信が緑となります。呼びたい相手のcall をダブクリすると、受信がそこにジャンプします。挿絵の例ですとTx 1368 Hz/Rx 1368Hz これは自局の送受信周波数です。

▲▼の使い方につて。▲をクリックすると送信(上)が受信(下)と同じ周波数になります。また反対に▼をクリックすると受信(下)が送信(上)と同じになります。

ここで注意しなければならないのは、相手に合わせてしまった場合、次回誰かを call したり CQ を出したりした場合、次に電波を出そうとすると呼んだ局の周波数で電波が出てしまいその周波数を占拠してしまうことになるので、再発射の時は十分注意してください。

周波数を変更する際は、Tx/Rx の窓に直接入力するか、Wide Graph の周波数部分をクリックして動かしますが、この場合片方しか移動しないので、先ほどの同化ボタンで変更すると簡単です。またShift+F11/Shift+F12 キーで上下に 60Hz ずつ移動させる方法もあります。出来るのでしたら空きの周波数に送信を固定(赤色のスケール)しておいた方が余計な仕事が増えなくて良いかと思います。

基本的に送信周波数固定、Hold Tx Freq にチェックを入れておくと良いでしょう。

DxCall/DxGridの下に出ているのは自分の位置からのおおよその距離と方向です。(Az:アジマス-方位)距離。ただしここは DxGridがお互い設定されており、ここに値が入った場合のみ表示されます。DxGridにデータが入らなかった場合は表示はしません。(手動で入力もOK)

CQ 1st
CQ 1st が選択されている場合は、最初に呼んできた局に反応し、自動的にAuto Seq が働き、勝手にQSOして73送って終了します。ここで注意してほしいのですが、放置は絶対NGです。時々73 を永遠に繰り返す場合があります。またよく見かけます。これは相手のRR73を受信出来なかった事から始まります。これを回避するためにも無人はNGです。
F2 キーの設定に 73 を送信したら強制的に送信を切ると言う設定にしておく事をおすすめいたします。(設定方法は別ページに記載しています)

受信レベル設定

Main画面の左下にあるレベル計で調整します。適正レベルはグリーンとなりますが、オーバーした場合は赤くなります。その場合は正常にデコードしない事があります。受信適正レベルは 25~30dB となりますが、グリーンであれば多少オーバーしても問題ないようです。ただギリギリ、オーバー気味だと、正常にデコードしないことが多くなると思われます。

 AGCは基本OFFとします。AGCがONでSlowだと弱い局がマスクされる可能性があります。ON/OFF出来る機種は極力OFFとして下さい。決して受信音を通常の位置で聞いていると、びっくりしますので聞かないように。ON/OFF 出来ない機種の場合は AGC を Fast にしておくと良いでしょう。

Waveファイル保存設定

(最新版ではデフォルトで None になっています。)Main画面メニューのSaveから None にすることで、ハードディスク内に保存される Wave ファイルが保存されなくなります。特にハードディスクのスペースの無い方にはお勧めの設定です。Save decode は decode したものを save する。Save all は何でもかんでも wave ファイルとして Save しますので、少ないディスク容量の方にはお勧めいたしません。

これらの保存先ですが、main の File から、Open log Directory をポイントすると、フォルダーが開きます。その中に Save と言うフォルダーがありますので、初期設定で F2 キーで保存先を変更していなければこの位置にあります。

 なおこのLog Directory にある、ALL.TXTも結構 FT8 をやっていると大きくなります。ALL.TXT は全ての受信、送信の記録を取っていますので、大きくなりやすいので、時々見てはファイルサイズ確認して下さい。WSJT-X が起動したままやると、ファイル共有エラーとなる場合があるのでこの ALL.TXT をいじるときは、WSJT-Xを停止してから行って下さい。最新版では ALL.TXT を年単位、月単位で管理出来るようになりました。コレを使う場合、HAMLOG の JT-Gets を使用する際に ファイル名が変更されるので切り替わる時期で注意して下さい。

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 また、JT-Linker や HamLog でリンクしている方は wsjtx.log にも気をつけて下さい。テキストのQSOログなので予備としてそのデータを消さないように注意して下さい。名前を変えて保存し直して、新たに作らせると言う方法もあります。そのためには WSJT-Xの再起動が必要です

 このフォルダーにはもう一つ重要なデータファイルがあります。 wsjtx_log.adi というファイルで、Band Activity や Rx Frequency 等の交信済みかどうか判断しているファイルになります。同じく交信logファイルとしても有効です。PCを交換したときに、インストールし直すと真っ新からはじまり、過去にQSOしているのに濃いピンクや薄いピンクで未交信フラグがたってしまいます。そこでこのファイルを新しいPCの同じ位置に入れてやることで、過去にQSOしたかどうかがわかるようになります。
※この wsjtx.log.adi はそのまま lotw や eqsl,clublog にもそのまま upload file として使用出来ます。

AP decodeについて

これは日本語のpdfマニュアルにも詳しくは記載されていないようです。設定は Main 画面から Decode をクリック、プルダウンメニューの Enable AP をクリックすると、 Enable AP にチェックが入ります。チェックを付けておく事で、デコード出来なかった部分を自分のデータベースから補おうとしますので、信頼性は落ちますが、デコードはなんとかするようになります。また、副作用として変な文字列だったり変なコールサインが出没します。間違ってもそれらをコールしないようにご注意下さい。

AP Decodeing および Decode Line について(本家から直訳)

JT65、QRA64、およびFT8用のWSJT-Xデコーダーには、QSOの間、最小で自然に情報を蓄積するオプションの手順が含まれています。この先験的(AP)情報は、デコーダの感度を最大4dBまで増加させますが、間違ったデコードをする可能性が高くなります。

例えば、あなたがCQに答えると決めたとき、あなたは自分のコールサインと相手のコールサインを既に知っています。したがって、ソフトウェアは、受信メッセージ72個のメッセージビットのうちの57個(2個のコールサインのそれぞれに28ビット、メッセージタイプ用に1ビット)は何を表示させるかは既に分かっています。次にデコーダのタスクは、メッセージの残りの15ビットを策定、そして決定し、得られた解決策が間違いでは無いかを確認します。これによりデコードの失敗を低減することができるようになります。

AP復号化は、あたかも正しく受信されたかのように、APビットを仮定された値に設定することによって蓄積したデータから該当データを拾い、その上で疑似デコードを開始します。そして、残りのメッセージおよびパリティビットが、仮定されたAPビットと一定の信頼水準で一致するかどうかを判断します。成功したAPデコードは、形式aPの行末インジケータでラベル付けされています(Pは、表1に示す1桁のAPデコードタイプの1つです)。たとえば、a2は、成功したデコードでMyCallを仮定情報として表示します。

表1. FT8 APの情報タイプ

aP メッセージコンポーネント
a1 CQ ? ?
a2 MyCall ? ?
a3 MyCall DxCall ?
a4 MyCall DxCall RRR
a5 MyCall Dxcall 73
a6 MyCall DxCall RR73
a7 Call_1 Call_2 ?

正しいと思われる確率が高い(圧倒的に高いわけではない)と判断されたコードワードが見つかった場合、デコードされたメッセージが表示されたときに文字が付加されます。 誤ったデコードの誤った箇所を避けるため、このようにマークされたメッセージはPSK Reporterに転送されません。

 

 

 

 

表2に、WSJT-Xオートシーケンサによって追跡される6つの可能なQSO状態と、各状態で試行されるAPデコードのタイプを示します。

表2.各QSO状態に対するFT8 AP復号化タイプ

状態 APタイプ
CALLING STN 2,3
REPORT 2,3
ROGER_REPORT 3,4,5,6
ROGERS 3,4,5,6
SIGNOFF 3,1,2
CALLING CQ 1,2

Band Activity の項目、Message の後ろに a1 や a2 と表示された場合はこの AP Decoding を実行し、疑似的にデコードした事を表示させています

デコードされたライン

デコードされたメッセージに付随する表示情報には、一般に、UTC、信号対雑音比(dB)、時間オフセットDT(秒)、音声周波数(Hz)が含まれます。 一部のモードには、公称(DF)からの周波数オフセット、周波数ドリフト(ドリフトまたはF1)、または距離(kmまたはmi)などの追加情報が含まれます。

次の表に要約された特別な意味を持ついくつかの潜在的な文字が存在することもあります。
表5.復号化されたテキスト行に使用される表記法

モード
モード
キャラクター
同期
キャラクター
行末情報
FST4
`
 
? aP
FT4
+
 
? aP
FT8
 
? aP
JT4
$
*,#
f,fN,dNC
JT9
@
JT65
#
JT65 VHF
#
*,#
f,fN,dNC
Q65
:
 
qP
MSK144
&
N H E

同期文字
* - 通常同期
# - 代替同期

行末情報

 ? - 低い信頼度でデコード
 a - 先験的な(AP)情報の助けを借りてデコードされた
 C - 信頼度インジケータ[ISCATとディープサーチ。 (0-9、*)]
 d - ディープサーチアルゴリズム
 f - Franke-TaylorまたはFanoアルゴリズム
 N - 平均された受信間隔またはフレームの数
 P - AP情報の種類を示す番号(上記表1)

直訳なので間違っていたらゴメンナサイ。

コンディションに合った通信の仕方

DX等は上がったり下がったりの繰り返しで、ほんの数分しか open しない場合があります。その場合通常の交信をしていたのでは長すぎて尻切れになってしまう・・・なんて事は多々ありますので、最短の交信を心がけましょう。
通常交信(Condxがいい場合は問題ありません)CQを出している局を Call する場合

相手
SEQ
こちら
CQ JA8QRZ QN03
1
 
 
2
JA8QRZ JH8QRV QN03
JH8QRV JA8QRZ -03
3
 
 
4
JA8QRZ JH8QRV R-03
JH8QRV JA8QRZ RRR
5
 
 
6
JA8QRZ JH8QRV 73
JH8QRV JA8QRZ 73
7
 

と7回ほどやり取りが発生します。これで行くと1分45秒必要になります。これを簡略化します。

相手
SEQ

こちら

CQ JA8QRZ QN03
1
 
 
2
JA8QRZ JH8QRV -03
JH8QRV JA8QRZ R-03
3
 
 
4
JA8QRZ JH8QRV RR73
JH8QRV JA8QRZ 73
5
 

1分15秒で簡潔します。もしQSOしているところから であれば更に1項目減りますので1分で終わります。
なお RRR と RR73 の切り替えは、 TX4 のボタンをダブクリすれば変更が出来ます。

Tx even/1stとAuto Seq、Call 1st、Hold Tx Freq

これについてあまり書いて居なかったみたいなので改めて書いておきます。別ページでダブっていたらすみません。

まずTx even/1st について。


これはこちらから送信する時間を意味しています。通常JAだと Region3(これは別ページのF2設定項目にあります)として設定していますので送信は、15/45秒からとなります。これを崩してしまうと、DXにかぶせてしまったり、みんなと逆にCQをだしている事になりますので注意してください。通常はチェックを入れません。
ただ例外があります。国内QSOや 2nd送信している人を呼んだ時に自動でチェックが入ります。交信が終わった後には必ずチェックをはずす癖を付けて下さい。最近よく、evenで送信してDXと同じ周波数で呼んでしまってると言うのを散見します。DXの上からその局呼んでも同時送信ですので、返答は帰ってきません。

Auto Seqについて

上の交信の簡略化のよう呼ばれた、呼んだ後に自動的に、次のシーケンスに移動する。チェックです。何もしなければ自動で上のQSOの例のように推移していきます。ただ途中でコンディションが落ちてしまってとれなかった場合は再送する事があります。大抵は自動でやってくれますが、73を送った後に送信をやめる(F2の設定項目参照)にしていた場合結構やっかいで手動でって事もあります。手動以外の自動で推移させる設定が Auto Seq となります。

Call 1st について

CQ を出した際に一番はじめに呼んできた局から勝手に交信を始めてAuto Seq に準じて送信していきます。 ここで気を付けてほしいのがcallしてきた局に100%応答はしてくれないようです。とくに弱い局には反応は鈍いので任せっきりにしないように。
bug 複数の局や呼ばれるときのタイミングで、何もクリック出来なくなることがあります。その場合は慌てず一度 Call 1st のチェックをはずしWSJT-X を再起動する事をおすすめします。呼んできた局だけクリック出来ない事が多々あります。 なのでここのチェックは入れない方がいいかも・・・です。

ちなみにAuto Seq のチェックをはずしてしまうと、 Call 1st のチェックボックスが消えてしまいますので注意して下さい。


消えてしまいます。

Hold Tx Freqについて

これは書いて字の通り。自分の送信周波数を固定します。呼ぶ場合には二通りの選定があります。一つは相手の出ている周波数に追従する。もう一つは、一つの送信周波数に留まる。どちらも一長一短があります。相手と同じ周波数で呼んだ場合、こちらから見えない場所からも同じ周波数で呼ばれているとすると、こちらの信号が見えない可能性があります。もちろんクリアの時もあります。
固定したときも同様です。強いのに帰ってこないのはダブっている可能性も排除出来ないので、Callしても返ってこないときはこまめに周波数を移動すると取ってもらえることがあります。
ここも要注意ですが、相手と同じ周波数で呼び出して、その後に国内に呼ばれたとか言う場合にeven になるのでDXと同じ送信時間で送出してしまう事になり顰蹙を買いますので運用には細心の注意を払って下さい。

WSJT-X 2.2.0-rc1からのこっそり変更されている部分

赤枠で囲った部分数字が入っています。ここはそのシーケンスで受信した局数を表示しています。2.2.0-rc3までは最後に受信した局数が残っていましたが、2.2.0GAからは、次の回何もデコードしなかった場合は 0 表示に戻るようになりました。

何か気がついたことがあれば追記していきます。

改版履歴
2018/07/20   新規作成
2018/10/22   書き加え
2019/01/02   Ver2.0.0の表記
2019/04/01   わかりづらい表記修正
2020/05/31   2.2.0-rc3リリースによりスクリーンショット差し替え。表記変更
2021/05/30   2.4.0GAリリースにより一部スクリーンショットを削除。
2023/03/09   2.6.1リリースにより一部スクリーンショット変更。